とがった角の先端がはがれ、そこから血が……。広島市安佐動物公園で飼育されているオスのシフゾウ「アスカ」(15歳)が、なんだか痛々しい姿になっている。体の毛も広範囲に抜け落ちている。だが、まったく心配ないのだという。一体どういうことなのか。
「血が出ていて、ちょっと痛そう」。5月中旬、角の先がボロボロとただれたシフゾウを見て、来園客の広島市西区の森川則(のり)文(ふみ)さん(65)は同情するように言った。
触ろうとすると、嫌がるそぶりも
シフゾウは、シカ科の一種。蹄(ひづめ)はウシ、角はシカ、頭はウマ、体はロバに似ているが、そのどれにも当てはまらないことから、「四(し)不(ふ)像(ぞう)」と呼ばれたとされる。
園によると、中国の北部から…